12月19日に、2人の死刑囚の、死刑が執行されました。
上川陽子法相にとっては、8月の再任後、初めての執行となりました。前回法相時の15年6月にも1人を執行しています。
今回の死刑執行は、金田勝年前法相時の今年7月以来5カ月ぶりとなりました。
12年の安倍内閣発足後から数えると、12度目、計21人の死刑の執行がされました。
法務省が12月15日時点で収容中の確定死刑囚は124人です。
今回、死刑執行された、死刑囚は、1992年に千葉県市川市で一家4人を殺害した関光彦死刑囚(44)=事件当時19歳=と、
94年に群馬県安中市で交際女性とその両親を殺害した松井喜代司死刑囚(69)の2人です。
この2人の死刑囚は、再審請求中でした。
死刑と聞くと、心臓がどきっとするのは私だけではないと思います。
自分に関係なくても、気になりますよね。
日本は、しばらく死刑が執行されない時期もありましたが、最近は、コンスタントに死刑が執行されています。
死刑と聞くと、殺人など、凶悪な事をした人が、受ける罪という認識の人は多いと思います。
しかし、死刑と一言で言っても、一体どうやって行われているのか具体的に知っている人は少ないのではないでしょうか?
私も、そのうちの1人です。
ちょっと、怖さもありましたが、調べてみました。
それではどうぞ!
死刑とは
死刑とは、死刑囚を死亡させる刑罰のことです。
極刑や処刑とも言われます。
一言で言うと簡単ですが、「死亡させる」と言うことは、自分の意思には反するわけです。
その刑罰を受けるだけの、悪事を働いたといえばそこまでですが、最近は、冤罪だったと再審にかけられることもあります。
基本的には、生命・人間の身体を脅かすような犯罪(無差別殺人や麻薬・覚醒剤などの使用、製造、人身売買等)は死刑になりやすいです。
汚職、通貨の偽造、密輸などの犯罪のように、生命を脅かさない犯罪でも死刑になることがあるそうです
意外ですね。
死刑は、21世紀に入ってから、ヨーロッパや、南米、カナダ、オーストラリアなどの国では廃止されています。
これらの国々は、議定書を国連の総会で採択しています。
日本を含むアジア諸国は死刑制度があります。
また、中東およびアフリカ諸国の大部分は、宗教的に、敵討ち的な事が民族の中にあるのか、死刑が存続しています。
そう考えると、日本も江戸時代は仇討ちが認められていたので、一緒?何ですかね。
日本は、死刑を行う国の中でも執行数が、多い国の1つです。
これまた意外ですが、アメリカ合衆国の31州では死刑制度があります。
国によっては、戦争時の犯罪に関してのみ、死刑制度がある国もあるようです。
今回は、日本の事のみをご案内します。
誰が命令するの?
日本では、現在、法務大臣が死刑執行の最終判断を行います。
刑事訴訟法475条第1項では、「死刑の執行は、法務大臣の命令による。」と定められています。
この命令は、判決確定の日から6ヶ月以内にしなければならないのですが、上訴権回復、再審の請求、非常上告、恩赦の出願・申出がされその手続が終了するまでの期間及び共同被告人であった者に対する判決が確定するまでの期間は算入されないこととなっています。
命令するということは、書面が作成され、発行され押印されます。
何種類かの命令書が発行されます。
「死刑執行命令書」
大臣の署名はありません。
印字された大臣の名前の横に公印が押されているだけです。
「死刑事件審査結果(執行相当)」
大臣、副大臣の自筆署名のほか、事務次官、刑事局長、刑事局総務課長の5人が書面に押印します。
「死刑執行について」(起案書:刑事局総務課)
拘置所を管轄する矯正局、保護局の幹部がそれぞれ3人が書面にの押印します。
2013年には、過去5年間の死刑囚に執行された死刑について、法務省に対して、情報公開を請求した新聞社があり、「死刑執行命令書」など10種類の文書計1137枚が開示されたとの事です。
すごい紙の量ですよね。
これらの開示文書からわかったことは、大臣の命令から書面に押印等が行われ、死刑が執行されるまで、だいたい、2〜4日かかっていたことです。
たまにミスもあったり、執行者も人間ですから、間違うこともありますよね。
見落とされる程度のミスだったんでしょうね。
命令から執行まではどんな準備がある?
法務大臣が署名、押印して執行命令書が作成されると、刑事施設の長に届けられ、5日以内に死刑が執行されます。(刑事訴訟法476条)
法律の規定により、日曜日、土曜日、国民の祝日に関する法律に定める休日、12月29日から1月3日までの間は原則死刑の執行は行われません。
しかし、かつては大晦日の12月31日に死刑が執行されることがあったそうです。
死刑囚の関わった事件の被害者家族は、どんな気持ちなんでしょうね。
年の瀬に死刑執行。
新しい年をスッキリ迎えられる?んですかね。
執行する人にはいつ命令が?
執行を担当する刑務官には、死刑囚と同じ、執行当日に職務命令が通知されます。
事前に知らせると、情報漏洩の危険があるためだからです。
また、当日欠勤あるいは年次有給休暇を取られてしまうから、それを避けるためという嘘のような話もあります。
担当する刑務官は、通院中だったり、新婚の者、妻が妊娠中の者ならびに親族に重篤患者がいる者などは除外されます。
残りの刑務官から選抜されます。
独身、既婚者だけど夫婦だけとか、親族健康体だとかですかね。
意外と、限られてきそうだと思うのは私だけでしょうか。
当日に知らされるのは、どきっとしますよね。
死刑が確定した死刑囚には、当日の朝に執行を告げられます。
そして、その日の、午前中に執行される傾向にあるとの事です。
あっという間ですよね。
死刑執行の日には、死刑確定者の独房には死刑確定者の抵抗に備え、特別警備隊と呼ばれる、頑強な刑務官で構成された一隊が独房の前に。
首席矯正処遇官(処遇担当)より死刑確定者にこれから死刑を執行する旨が伝えらレます。
時間は午前9時から11時の間が通常であるといわれています。
この世を名残惜しんで、遺書をしたためたりしたくなりそうですが、遺書を書く時間や、室や荷物を整理する時間は全く与えられません。
即座に特別警備隊により刑場へ連行されるとの事です。
死刑執行が、当日早朝知らされるようになった理由は、40年ほど前、1975年10月3日に福岡拘置所で死刑執行当日の朝に、前日死刑執行を通知されていた死刑囚が左手首を剃刀で切り付け自殺する事件が発生したためです。
それまでは、死刑が確定した死刑囚に、前日または前々日に執行の予定を告げていました。
死刑が確定した死刑囚の希望する食事をできる限りの範囲で与えたり、特別の入浴や親族との面会を許可し、同囚や宗教教誨師や担当刑務官らを交え「お別れ会」を行うこともあったとの事です。1950年代のことなので、かなり昔ではありますね。
ちなみに、被害者遺族には、知らされないとの事です。
日本では、殺人犯が被害者の親族である場合がなんと、4〜5割だそうです。
被害者でもあるけれど、加害者の家族でもある状況ですよね。。
死刑執行は、必ずニュースになりますから、ニュースで知るのでしょうね。
どこで執行されるの?
死刑が行なわれるのは刑務所ではありません。
高松を除く全国7か所(札幌、宮城、東京、名古屋、大阪、広島、福岡)の高裁所在地の拘置所内に刑場が設けられています。
そこで死刑執行が行なわれています。
高松には死刑台はなく、大阪拘置所で執行されます。
死刑の方法は?
日本では、刑法11条1項で、死刑を法定刑のひとつとして位置づけています。
その方法は、絞首とされています。
絞首刑とは
絞首刑とは、首を絞めることによって、死に至らしめる刑罰のことです。
現在、絞首刑の規定されている国において一般的に行われているのは、縊首により縊死(いし)に至らしめる方法です。
死刑囚の首に縄を掛け、または穴のあいた板に首を通し、高所より吊るす刑罰です。
日本では、執行前に死刑囚の身長と体重を測り、同じ体重の砂袋を作って何回も実験するとの事です。
踏み板からドンと落ちた瞬間に衝撃で首が30センチくらい伸びる事を考えて、ロープの長さなどをセッティングします。
首が締まって死ぬのではなく、脊髄が一気に切れるから、痛みを感じずに死ねるそうです。。。
首を吊ると、失禁すると言われますが、そんなことはないそうです。
自分はそうなることはないとわかっていても、想像するだけで怖いです。
日本の絞首台は、現在こんな感じです。
なお、絞首刑を執行する際、誰が執行したかわからないようにするため、ボタンがいくつかあり、同時に押します。
それでも、あまりいい気分はしませんよね。
動画を見つけました。
まとめ
死刑執行は誰が命令するの?方法は?はいかがでしたか?
調べれば調べるほど、ちょっとしんどくなってしまいました。
私は、もともと歴史学専攻なので、死刑の歴史には興味があり、ある程度の知識はあるのですが、
あまり、気持ちの良いものではないですよね。
現在、日本の司法では、
法務大臣が執行命令を出し、5日以内に、死刑は執行されています。
私たちが、ニュースで目にした時には、死刑囚は既に、空の上なんですね。
参考になれば幸いです。