第九といえば、年末のイメージが定着していますよね。
実際に、第九のコンサートも年末に集中しています。
この状況は、日本だけで、海外では第九を年末に演奏する習慣はないそうです。
なぜ、日本では年末に第九を演奏する習慣が根付いたのか、
ご紹介いたします。
第九って何?
第九とはルートヴィヒ・ヴァン・ベートーベン(1770~1827)の
交響曲第9番ニ短調作品125「合唱つき」の事を指します。
演奏時間は、約70分です。
私たちがよく耳にするのは、第4楽章の主題の「歓喜の歌」です。
交響曲の最後の最後の、1部分なんですね。
この歓喜の歌はベートーヴェンがシラーの詞『歓喜に寄す』に
感動し、曲をつけようと思い立ったことがきっかけで、できたそうです。
どうして年末に演奏されるようになったの?
戦時中(1943年)に行われた、学徒壮行音楽会(場所は今の東京藝術大学の奏楽堂)で
演奏されたことが、きっかけだったといわれています。
戦争の悪化が原因で、学生にも徴兵が求められ、
卒業式を12月に執り行い、第九の第4楽章で卒業、出征を
祝ったとのことです。
そして、戦後も引き続き、12月に演奏が行われる習慣は残りました。
戦後、貧困にあえいでいたオーケストラが、
それにちなんで、12月に第九を地方で演奏するようになりました。
第九は、知名度も高く、チケットも売れやすかったこと、
また、合唱メンバーは学生に依頼することによって、
オーケストラ側の出費も抑えられたことが、今につながっています。
あれ、これって、お金が儲かるから、ってことですね。
現在では、サントリーが主催している10000人の第九や、
いろんなイベントがありますよね。
戦後からの積み重ねが、日本で、ベートーベンの愛好者を
増やしたとも言えると思います。
今となっては、年末の第九はオーケストラにとって、ドル箱ですね。
まとめ
日本で第九が年末に演奏されるのは、
主催者側が儲けたいがための作戦でした。
でも、第九は、1度聴くと病み付きになるのも確かです。
第4楽章だけでなく、ほかの楽章にも聴き所があるので、
ぜひ、一度コンサートに足を運んではいかかでしょうか?
最近のコンサートは、お子様が小さい場合、
託児施設も用意している場合もありますので、
おすすめです。
参考になれば幸いです。